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【研究開発 鈴鹿1000km】

鈴鹿 1000km 特集

鈴鹿1000km耐久レース

鈴鹿1000km耐久レース向けに韓国の「SUMSUNG RACING」との共同開発により上位入賞を目標に、
厳しい材料制限等のレギュレーションに適合するよう技術を集結し、開発/設計したマシンです。

はじめに

株式会社エアードが、レーシングカーの製作を始めたのが今から30年前、
現在までモータースポーツカーをはじめ、レース用エンジンの開発からアフターパーツの製作まで。
業務内容もスタイリング・デザインから設計、試作、テストやレース活動まで、
その企業規模に比較して欲深いほど広範囲に恒っています。

【デザイン1】
【デザイン2】

デザインスケッチ

ベェラム紙という裏からも描ける半透明の紙などを使用し、マーカーやパステルで描く手法が主流となっている。
近年ではコンピュータ・グラフィックの利用が盛んになり二次元のスケッチを感圧ペンを用いてコンピュータに入力し、三次元モデルに展開する。
三次元マスモデルを作成すれば、グラフィックソフトを利用して、遠近感や陰影をつけることによって、写真と同等のスケッチが出来上がる。
こうしてアイデアが固定したら、できつつあるパッケージレイアウトにそのアイデアをきちんと重ね、モデルをつくるための図面を描く。
図面といっても自由に曲る黒いテープを使ったテープドローイングという簡易図形を使ってサイドを描く。この図面をベースにモデルを作る。

【デザイン3】
【デザイン4】

モノコック

厳しい材料制限のレギュレーションの中で、適材適所の考え方で構成。
モノコックロアーはアルミツインチューブ形式、バルクヘッドはフロントがアルミ厚板、センターアルミハニカム材、
リアにはアルミ切削材を組み合わせた構造を取ります。
もっとも特徴的なのはモノコックアッパーで、ガラス・エポキシ・プリプレグ(GFRP)と呼ばれる新素材を採用し、
オートクレープ成形により高い強度、剛性を確保しました。
モノコック共々その強度から、ドライバーの安全性の向上に大きく寄与するものです。

【モノコック1】
【モノコック2】

ボディ(1)

エンジン、ミッション、サスペンション等のレイアウト、及び風洞実験などにより、モノコックの形状を決定し、
その後マスターモデルレイアウトで決定された形状のマスターモデルを製作します。

搭載エンジン
SR20DE改
全長×全幅×全高
3970×1610×970mm
車両重量
480kg(バラスト無し470kg)
ホイールベース
2430mm
トレッドFR
1380mm
トレッド
1290mm
ミッション
スタッフスSM86/10前進5 速後退1段
ホイール
エンケイF3W F3R アルミ鍛造1ピース FR:13×8JRR:13×10
ブレーキ
AP RACING CP2576 CP3176
ダンパー
BILSTEIN AK1000
【ボディ1−1】
【ボディ1−2】

ボディ(2)

その後成形型を反転します。変形やひずみを防止するため、成形型もカーボンとエポキシを多用します。
最後に、ハニカムサンドイッチ板の補強が必要になります。この場合、モノコックは上下別々に成形型を反転します。
レイアップ〜バッキング〜硬化レイアップ(積層)は必要な強度を算出し、繊維の種類、積層枚数、方向等を決定します。
積層が終了したらフィルムで全体をおおい、真空ポンプによりバキュームしたうえでオートクレープにより加熱加工し硬化させます。
サンドイッチ構造の場合は必要に応じて、外層、ハニカム層、内層ごとに積層と硬化を繰り返します。
脱型・仕上げ硬化した製品を成形型よりとりはずし、外周のトリミング加工や樹脂のバリとり等の仕上げを行います。
この後、上下の製品と、バルクヘッドと呼ばれる隔壁をすり合わせて接着します。
上下接着が完了し、この後エンジンやサスペンションが取り付けられます。

【ボディ2−1】
【ボディ2−2】

鈴鹿 1000km 耐久レース

SAMSUNG社での風洞実験により開発したボディ形状は、空気抵抗(ドラッグ)の減少と共に、
ドラッグを同一にした場合、ダウンフォースも増大しています。

【鈴鹿1000km耐久レース1】
【鈴鹿1000km耐久レース2】
【鈴鹿1000km耐久レース3】
【鈴鹿1000km耐久レース4】

最後に

上位入賞を目標に掲げたこのマシンは、コーナーリング性能、空力性能、コントロール性、冷却性能、耐久性、全ての面で高性能を発揮しました。
何より一流の開発/設計から製作まで、はたまたドライバーまでを努め見事1位の表彰台に上がることを果たし、
上級フォーミュラーで通用することが証明されました。

【鈴鹿1000km耐久レース5】
【鈴鹿1000km耐久レース6】